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2025.2.25 Tue
トランプと権力政治の時代
―― 同盟諸国はどう動くべきか
トランプは、パナマ運河を取り戻し、カナダを併合し、グリーンランドを獲得すると威嚇している。19世紀の権力政治の国際関係への回帰を明らかに思い描いている。同盟関係のことを、アメリカから雇用を奪う国々を保護するコストをアメリカに負わせる悪い投資だと考えている。(ダールダー、リンゼー)
中国とロシアは自国の利益や価値のために、欧米の利益を無視して、公然とパワーを行使するようになり、ワシントンも、地政学が「大国間競争」によって規定されていることを認識している。今後、アメリカの役割は変化するだけでなく、小さくなっていく。(アリソン)
国家的な優先事項を追求するために、大国の政治家が巨大テクノロジー企業をたんなる地政学的なチェスの駒として自由に動かせる時代は終わりつつある。テクノロジー企業は名実ともに独立した地政学アクターになり、米中対立だけでなく、今後の秩序を左右する大きな影響力をもち始めている。(ブレマー)