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貿易で紛争を防げるか
―― 貿易と平和の真実

スティーブン・G・ブルックス ダートマス大学教授(政治学)

The Trade Truce?: When Economic Interdependence Does—and Doesn’t—Promote Peace

Stephen G. Brooks ダートマス大学政治学教授、ストックホルム大学客員教授。近くPolitical Economy of Securityを出版予定。

2024年8月号掲載論文

貿易の拡大とグローバリゼーションが戦争を抑制すると考えるのも、戦争を促すと考えるのも間違っている。世界経済と国際安全保障の関係は複雑だ。重要な要素も、そうでない要素もある。かつて米政府高官たちは、対中経済エンゲージメントはアメリカの安全保障にプラスの作用しかもたないと信じていたが、いまや、この政策は大失敗だったと考えられているようだ。しかし、政策立案者は、どちらの考え方も間違っていることを理解しなければならない。通商は平和の促進には役立たないし、有害でもない。その両方の作用をもつ。

  • 貿易と平和
  • あいまいなメッセージ
  • 通商と紛争の相関関係
  • トレードオフ

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