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2024.5.31 Fri

ドラックの脅威
――戦争と絶望と貧困

カプタゴン(フェネチリン)が中東にまん延している。いまや、シリアが世界のカプタゴンのほとんどを生産し、これが、ダマスカスの重要な収入源とされている。アラブ諸国は、カプタゴンのまん延を食い止めるためにアサド政権との交渉を試みてきたが、これまでのところ、シリアが生産量を減少させた証拠はない。それどころか、中東は、カプタゴンよりも作用の強いメタンフェタミンまん延の脅威にいまやさらされつつある。(フェルバブ=ブラウン)

アフガニスタンは今や世界最大のアヘン生産国で、この犯罪経済に周辺諸国が巻き込まれつつある。タリバーンが支配するアフガニスタンから、暴力、麻薬、カオス、テロリズムが周辺地域へと拡散するのを放置すれば、いずれわれわれは途方もないコストを支払わされることになる。(ラシッド)

アメリカの平均寿命が低下し始めた大きな理由は、25歳から64歳の中年の死亡率が上昇しているからだ。ドラッグのオーバードーズ(過剰摂取)やアルコール性の肝臓疾患による死亡、そして自殺が増えている。これらの3タイプの絶望死のなかでオーバードーズがもっとも多い。エリートが繁栄を手にし、教育レベルの低い人々が取り残されるという、アメリカの絶望死危機を深刻にしているダイナミクスが、他の富裕国でも壊滅的な結果をもたらす恐れがある。(ケース、ディートン)

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