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2024.5.29 Wed

中国の経済停滞をどう捉えるか
―― ピークチャイナか、それとも成長への布石か

アメリカを追い越すどころか、中国は長い不況に突入する可能性が高く、「失われた10年」を経験するのかもしれない。中国経済の今後をこう捉える悲観派の見方は状況を誤認している。ワシントンがこの流れを過小評価すれば、アジアのパートナーとの経済・安全保障関係の深化を維持していくアメリカの能力を過大評価することになるだろう。(ラーディ)

経済的に衰退する中国には、もはや「かつてのような力はない」のか。現実には、中国共産党は、大方の予測を覆して、危機をうまく切り抜けることが多く、習近平は現在の経済状況について心配していない。むしろ、現状は、より強く、持続可能な経済になるための成長痛を経験しているようなもので、近代化目標に向かって突き進めるように、経済を再構築するための厳しい選択をしていると北京では考えられている。(メデイロス)

欧米のエコノミストは、個人消費の制約に対処することで、北京が内需主導の経済戦略へシフトすることをこれまで長く求めてきた。だが、中国の指導者たちは、必要な変化を先送りし、経済の外需依存を高めるような政策をいまもとっている。こうして、中国の過剰生産能力が外国政府をこれまで以上に激しい対抗措置へ向かわせつつある。その結果生じる対立は、中国経済にとっても、世界の貿易システムにとっても許容できるものではないだろう。(ローゼン、ライト)

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