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2024.4.2 Tue
ビジネスエリートの地政学
―― 企業と外交政策
企業の利益が、米政府が考える利益と常に同期するわけではなく、しかも、企業が政府以上に多くの情報をもっていることも多い。アメリカの国益を調整し、保護するというワシントンの最終的役割を考えれば、政策決定者は(企業の協力を必要とする)この新しいパラダイムに適応していく必要がある。(ミシック、オルサグ、バンゼル)
いまや、消費者向け電子機器が簡単に兵器化され、高性能グラフィックチップが軍事用人工知能のエンジンに転用される時代にある以上、貿易と通商を安全保障から容易に切り離すことはできない。こうして生まれたのが「相互依存世界が作り出す脆弱性を管理するプロセス」としての「デリスキング」だ。(ファレル、ニューマン)
レジリエンスはショックやストレスに耐える能力として理解されている。だがそれは、リスクに効果的に対応するだけでなく、将来的な恩恵を獲得し、変化に対応できるように進化することも意味する。そうした、システミック・レジリエンスを実現するには、政府と企業は「リスクと恩恵の適切なバランス」をとらなければならない。(ロバーツ)
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ビジネスエリートの地政学
―― 企業と外交政策2024年4月号 ジャミ・ミシック 元キッシンジャー・アソシエイツ会長 ピーター・オルサグ ラザード 最高経営責任者 セオドア・バンゼル ラザード地政学アドバイザリー マネージング・ディレクター
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経済安全保障国家と地政学
―― デリスキングとサプライチェーン2023年12月号 ヘンリー・ファレル ジョンズ・ホプキンス大学 教授(国際関係論) エイブラハム・ニューマン ジョージタウン大学 教授(政治学)
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ハイリスク環境における安定とは
―― システミック・レジリエンスの確立を2024年1月号 アンシア・ロバーツ オーストラリア国立大学 教授(グローバル・ガバナンス)