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2024.2.22 Thu
米中戦争と台湾・第一列島線
―― 戦争の長期化・広域化と多領域化に備えよ
中国と米主導の連合軍との通常戦争は長期化し、地理的に広域化するだけでなく、その対立は、世界経済、宇宙、サイバースペース等の多くの領域に飛び火する危険がある。しかも、中国が第一列島線に沿った主要な島嶼を占領した場合、アメリカとその同盟国が許容範囲に近いコストでそれらの島々を奪還するのは非常に難しい。(クレピネビッチ)
台湾は、日本、フィリピン、韓国を中国の威圧や攻撃から守る上で重要なフィリピン海へのゲートウェイとして、きわめて重要な軍事的価値をもっている。中国にとっても、台湾統一を求める大きな動機はナショナリズムよりも、その軍事的価値にある。(グリーン、タルマッジ)
北京がワシントンと「ほぼ同格のライバル」になれたのは、中国企業が保有する、海洋港湾インフラのグローバルネットワークを軍民の目的で利用し、中国海軍のリーチを強化しているからだ。中国海軍がグローバルに投射する軍事パワーは、すでに国際安全保障の見取り図を変化させている。(カードン、ロイタート)
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米中戦争と台湾・第一列島線
―― 戦争の長期化・広域化と多領域化に備えよ2024年2月号 アンドリュー・F・クレピネビッチ ハドソン研究所 シニアフェロー
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米中にとっての台湾の軍事的価値
―― 台湾とフィリピン海そして同盟諸国2022年8月号 ブレンダン・L・グリーン シンシナティ大学准教授(政治学) ケイトリン・タルマッジ ジョージタウン大学外交大学院 准教授(安全保障研究)
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中国のグローバル軍事インフラ
―― 軍事的影響力を支える港湾ネットワーク2023年7月号 アイザック・カードン カーネギー国際平和財団 シニアフェロー(中国研究) ウェンディ・ロイタート インディアナ大学 アシスタント・プロフェッサー(国際関係論)