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2024.1.23 Tue
ガザ戦争と中東
―― 紛争拡大のリスク
ついに実現しつつあるかにみえた、イスラエルとアラブ世界の関係正常化を中心とするアメリカの中東構想も、イスラエル・ハマス戦争によって根底から覆されてしまった。もはやパレスチナ問題は無視できないし、パレスチナ国家への信頼できる道筋がみえるまでは、アラブ・イスラエル関係の今後を含めて、アメリカがこの地域の他の問題に取り組むのは不可能だろう。(ファンタッピー、ナスル)
これまで、イスラエルとイランは、制御不能なエスカレーションリスクを冒すことなく、定期的に相手を挑発できると考えてきた。だが、いまやガザにおける戦争が、そうした微妙な計算を狂わせつつある。テヘランは、イスラエルとハマスの戦争を、レバノンやシリアでの代理(傀儡)勢力の攻撃によってイスラエルの能力を低下させるチャンス、あるいはイラクやシリアの米軍に対する武装勢力による攻撃の再開を促すチャンスとみなすかもしれない。(ケイ)
イランとロシアは、引き続き、欧米の影響を押し返し、孤立から身を守り、米主導の秩序に対抗する連合を維持していくだろう。お互いに信頼し合っているわけでも、好きですらないかもしれない。だが、どのような協力なら自国の助けになるかを両国はともに理解している。(エスファンダイアリー)
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中東を一変させたガザ戦争
―― 混乱をいかに安定と秩序に導くか2024年1月号 マリア・ファンタッピー イタリア国際問題研究所 アソシエートフェロー バリ・ナスル ジョンズ・ホプキンス大学 高等国際関係大学院 教授(国際関係論)
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イスラエル・イラン戦争のリスク
―― ガザ紛争が長期化すれば(10/19)2023年12月号 ダリア・ダッサ・ケイ カリフォルニア大学ロサンジェルス校 バークル・センター シニアフェロー
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イランとロシアのパートナーシップ
―― 孤立国家の連帯は続くのか2023年4月号 ディーナ・エスファンダイアリー 国際危機グループ(ICG) 中東・北アフリカプログラム 上級アドバイザー