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2024.1.20 Sat
論争 いかに対中抑止力を形成するか
潜在的な敵を思いとどまらせるには、「保証」を示して、相手を安心させる必要もある。ワシントンと台北は抑止力の強化に努めながらも、武力行使を控えれば、懲罰の対象にはされないと北京を安心させなければならない。一部の米政府高官たちが主張するように、台湾を主権国家として承認し、台湾防衛のための明確な同盟コミットメントを示せば、北京の安心感は損なわれ、抑止力も低下する。(グレーザー、ワイス、クリステンセン)
台湾有事の際に中国軍に対抗するためのもっとも有望な米軍の能力の多くは、2030年代まで整備されず、戦力に完全に統合されることはない。このため、2024年から2027年にかけて、台湾防衛が脆弱化する危険があり、習近平はこの段階で軍事的な台湾攻略が成功する可能性がもっとも高いと判断するかもしれない。(フロノイ、ブラウン)
台湾は、日本、フィリピン、韓国を中国の威圧や攻撃から守る上で重要なフィリピン海へのゲートウェイとして、きわめて重要な軍事的価値をもっている。中国にとっても、台湾統一を求める大きな動機はナショナリズムよりも、その軍事的価値にある。(グリーン、タルマッジ)
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本当の対中抑止力とは
―― 米台が中国を安心させるべき理由2024年1月号 ボニー・S・グレーザー 米ジャーマン・マーシャル財団 マネージングディレクター ジェシカ・チェン・ワイス コーネル大学 教授(中国・アジア太平洋研究) トーマス・J・クリステンセン コロンビア大学教授(国際関係論)
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台湾防衛のための軍事能力強化を
―― 抑止力強化を急げ2022年10月号 ミシェル・フロノイ 元米国防次官(政策担当) マイケル・A・ブラウン 元米国防省ディレクター (防衛イノベーションユニット)
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米中にとっての台湾の軍事的価値
―― 台湾とフィリピン海そして同盟諸国2022年8月号 ブレンダン・L・グリーン シンシナティ大学准教授(政治学) ケイトリン・タルマッジ ジョージタウン大学外交大学院 准教授(安全保障研究)