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2024.1.14 Sun

欧州における右派の台頭
―― ポピュリスト台頭の意味合い

右派が台頭しているフランス、ドイツ、ポーランドに続いて、オランダでもゲルト・ウィルダースが率いる(右派ポピュリストの)自由党が、オランダ議会下院の最大勢力となった。ベルギーでも、民族主義政党「フランダースの利益」が2024年の国政選挙で最大政党に躍り出ようとしている。フィンランド、ハンガリー、イタリア、スロバキアではすでに極右勢力が政権を握っており、スウェーデンでも極右政党が少数派政権を支えている。ヨーロッパにおける中道左派が支持を失い、中道右派政党が極右政党のレトリックや、時には政策さえも模倣するようになってきたために、中道の左派政党が右派政党との共有基盤を見いだすのが難しくなっている。(マタイス)

ヨーロッパの政治的主流派が移民受け入れを支持し、嫌がる市民にこの不人気な政策を押し付けようとしたことが、右派ポピュリストに力を与えた。しかし、本当の問題は、欧米の民族的多数派である白人が、移民流入による大きな社会的変化を前に、国と自分たちの共同体のつながりが希薄化していると感じ、割り切れぬ思いを抱いていることにある。すでに主流派の政治家も立場を見直し、メルケル独首相さえも、多文化主義は「完全に失敗した」と表明している。ここからどのように未来を描くかが問われている。(カウフマン)

民主主義の規範と制度が社会に力強く定着している社会では、反民主主義や過激主義をいくらアピールしても支持者はほとんど得られないために、急進派は穏健化せざるを得なくなる。効率的に民意を汲み取れる民主的社会において、反民主主義や急進主義が受け入れられる余地がほとんどないことは歴史が裏付けている。この状況下では、急進派は周辺化を受け入れるか、穏健化するかどちらかを選ばざるを得なくなる。問題は、アメリカ政治が逆方向に向かっていることだ。(バーマン)

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