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2023.7.27 Thu
国際主義と民主主義は復活するか
――反グローバル化、保護主義、ポピュリズムを越えて
「民主的資本主義」体制下で、格差が拡大したために、民主主義も困難な状況に追い込まれている。すでに権威主義体制などの、厄介な政治的代替制度に目を向ける人々もいる。必要なのは、より公正な経済成長を実現し、政治腐敗を管理し、大企業の過剰な権力を抑制することだ。民主的資本主義の危機を、民主主義の終焉としないための方策は存在する。(アセモグル)
ポピュリストやナショナリストのさまざまな不満を背景とするトランプの台頭は、民主主義の危機を分析するために、グローバル化に反対する人々に注意を払う必要があることを初めて明らかにした。グローバル化支持派は、自由貿易と経済の自由化が民主主義拡散の基盤を提供すると主張している。だが歴史が示す因果関係はもっと曖昧だ。(マゾワー)
冷戦が終わると、共産主義の膨張主義や核戦争に対する懸念が後退し、欧米の有権者は、かつては論外とされてきた政党や候補、政策に賭けることも厭わなくなった。その結果が、ブレグジットであり、ドナルド・トランプだった。欧米社会の反グローバリズム感情を抑えるには、国際政策が国内における労働者階級の家庭に恩恵をもたらすことを実感できるようにしなければならない。(トルボウィッツ、ブルグーン)