2023.3.25 Sat
<4月号プレビュー>
中ロ同盟のポテンシャルと限界
―― 分断された世界と中ロの連帯
習近平が、「より欧米中心ではない世界」を目指すためのパートナーにプーチンを選んだことは、結果的に逆効果になるかもしれない。北京とモスクワの優先順位には食い違いがあるし、ロシアの先行きがみえないために、両国が既存の秩序を協調して変革していく能力も制約されている。(キム)
中ロと敵対する世界で、アメリカはどのように行動すべきか。これにどう答えるかが、今後の米外交の中核課題となる。中ロと、あらゆる課題をめぐってあらゆる場所で競い合うのでは、失敗するのは避けられないし、そうする必要もない。これら2大国の課題に対処する外交政策では、地域や課題について優先順位を決め、困難なトレードオフを判断しなければならない。(フォンテーヌ)
民主主義を切り崩していけば、欧米の影響力低下というトレンドを加速し、ロシアと中国の地政学的目標を促進できる。これが、中ロが共有している中核ビジョンだ。自国のパワーをアメリカのそれと比較して相対的に捉えるモスクワと北京は、欧米民主国家を衰退させれば、自国の国際的な地位向上につながると考えている。(ケンドール=テイラー、シュルマン)