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2023.3.16 Thu
台湾侵攻リスクをどうとらえるか
―― 軍事的対応か外交的対応か
ワシントンの政策の最終目標は台湾の平和と安定の維持であり、平和を維持するには、中国の不安の原因を理解し、習近平を追い込まないようにして、統一が遠い将来の課題であると認識させる必要がある。ときには、難題の解決をあえて目指さず、先送りすることが最善の政策になる。(ブランシェット、ハス)
台湾は独自の歴史、文化、アイデンティティ、そして民族的プライドをもっている。ほとんどの人にとって、台湾はすでに完全な主権国家であり、中途半端な状態で存在する自治の島ではない。既成事実をあえて正式に宣言して、波風を立てる必要はない。自らの理想と現状との違いは微々たるものであり、争う価値はないと判断している。(バトー)
北京は「台湾防衛のコストは極めて高く、たとえ北京が台湾に侵攻しても対抗措置をとることは割に合わない」とアメリカおよびその同盟国を納得させたいと考えるはずだ。そのための手段はいくつかあるが、北京にとって、核兵器を持ち出すことがアメリカをこの紛争に介入させないもっとも効果的なやり方だろう。(ペティジョン、ワッサー)
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台湾の安全と平和を守るには
―― 最善の対策は軍事領域にはない2023年3月号 ジュード・ブランシェット 戦略国際問題研究所 フリーマンチェア(中国研究) ライアン・ハス ブルッキングス研究所 シニアフェロー
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現状維持を望む台湾市民
―― 統一はもちろん、独立も望まぬ理由2023年2月号 ネイサン・F・バトー 中央研究院(台湾)政治学研究所副研究員
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台湾紛争と核戦争リスク
―― 米中衝突のエスカレーションシナリオ2022年7月号 ステイシー・L・ペティジョン 新アメリカ安全保障センター シニアフェロー(防衛プログラム) ベッカ・ワッサー 新アメリカ安全保障センター フェロー(防衛プログラム)