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2023.3.11 Sat
サウジの新しい世界ビジョン
―― 対米パートナーシップの終わり
サウジは国際政治と貿易の双方において、新興国がより大きな役割を果たす、アメリカとは異なる経済ビジョンを思い描いている。世界はエネルギー不安の時代に入りつつあるが、化石燃料需要は少なくともあと20年は続く。国際システムがますます流動化するなか、サウジは国際関係でこれまで以上に大きな役割を果たすことになるのかもしれない。(ヤング)
2020年、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン王国はアメリカの仲介で国交を正常化した。アブラハム合意として知られるこのアレンジメントは、これまで経済統合がなかなか実現しなかった中東地域での奥深い経済統合を促すだろうし、世界の投資家を魅了し、この地域全体の成長に貢献すると考えられる。(シン)
石油を財源とする福祉国家モデルはもはや維持できないことを理解したサウジの指導者たちは、社会的支出の拡大を求める圧力が高まっているにもかかわらず、規律あるオーソドックスな財政政策を模索している。消費によって牽引される経済を促し、支出を削減し、世界的な石油需要の低下を乗り切ることを重視し、無駄をそぎ落とした政府を構築しようとしている。(ヤング)