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2023.2.7 Tue
ドローンがパワーバランスを覆す
―― ドローン外交の夜明け
かつて軍事ドローンの生産をほぼ独占していたアメリカは、ミサイル技術管理レジーム(MTCR)の輸出規制によって、緊密な同盟国への輸出さえ制限されている。この間隙をついて、MTCRに加盟していない中国やイスラエルが積極的にドローンビジネスに参入し、ほとんど規制を気にせずに取引をするようになり、イランやトルコがこれに続いた。ドローンの輸出相手国との関係を深め、ライバルに対抗し、応分の見返りと譲歩を引き出すことで、ドローン外交は、地域の安定を脅かし、アメリカのような伝統的兵器輸出国の影響力を脅かしている。(リン=グリーンバーグ)
2011年まで、軍事ドローンを保有していたのはアメリカ、イギリス、イスラエルの3カ国だけだったが、2011年から2019年の間にその数は18カ国に上昇した。こうした軍事ドローンの拡散は、主要サプライヤーとして中国が出現した時期と一致している。ドローン輸出戦略をとる中国の優位の一つは「相手国政府の立場や内政を問わないこと」にある。一方、アメリカは長く輸出規制を課してきた。トランプ政権が再解釈を通じて規制を緩和するなか、ドローンの輸出を認めるのか、誰に対して洗練された軍事ドローンテクノロジーの輸出を認めるのか。(ホロウィッツ、シュワルツ、ファーマン)
軍事ドローンを手に入れた政府は敵の政治指導者や活動家を比較的簡単に殺害できる。今後、事前のプログラミングさえ行えば、その後は誰を監視し、殺害するかを自律的に判断するドローンシステムさえ登場するかもしれない。とはいえ、少なくとも現段階では、ドローンは新たな兵器の一つに過ぎない。ドローンの最大の軍事的価値は、偵察というもっと一般的な側面にある。それでも、戦争で勝利を収めるには、領域のコントロール・支配が必要になる。そして領域のコントロールは、空からの攻撃だけでは達成できない。ドローンは重要なイノベーションだが、革命的なイノベーションではない。(フリードマン)