2023.2.28 Tue
崩壊した秩序と世界システムの未来
―― ウクライナ戦争が変えた世界
この1世紀におけるもっとも厄介な出来事は、人類が自らを滅亡させる力をもつようになったことだ。気候変動から核戦争、人為的に操作された病原体によるパンデミック、制御不能な人工知能(AI)、まだ登場していない破壊的なテクノロジーにいたるまで、人類を破滅へと向かわせかねない危険はいまや数多く存在する。(マッカスキル)
ロシアのパワーと影響力が衰退しているとしても、その脅威が今後大きく後退していくわけではない。プーチンが敗れても、ロシアの問題は解決されないし、むしろますます大きくなっていく。欧米は、この現実を認識し、ロシアがおとなしくなることへの期待を捨て、モスクワの標的にされているウクライナへの支援を続けなければならない。(テイラー、カフマン)
ロシアのウクライナ侵攻と米中対立の激化は、戦後秩序の現状とパックス・アメリカーナを根底から覆そうとしている。モスクワのウクライナ侵略を前に、ドイツは外交政策を抜本的に見直し、国防費の大幅増額を約束している。中国の覇権主義を警戒する日本も、同じような変貌を遂げようとしているようだ。(レナード)