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2023.2.1 Wed

台湾を考える
ー 防衛のための軍事力強化を

圧倒的多数の台湾人が、北京に統治されることにはほとんど関心をもっていないが、正式な独立宣言を表明したいわけでもない。独立への支持は年々上昇してきたが、半分をゆうに超える人々が現状維持を望んでいる。ほとんどの人にとって、台湾はすでに完全な主権国家であり、宙ぶらりんな状態で存在する自治の島ではない。既成事実をあえて正式に宣言して、波風を立てる必要はない。(バトー)

台湾は、日本、フィリピン、韓国を中国の威圧や攻撃から守る上で重要なフィリピン海へのゲートウェイとして、きわめて重要な軍事的価値をもっている。中国にとっても、台湾統一を求める大きな動機はナショナリズムよりも、その軍事的価値にある。実際、北京が台湾を攻略して、そこに軍事インフラを設営し、フィリピン海への影響力を高めれば、中国の軍事的立場は大きく強化され、アジアの同盟国を防衛する米軍の能力は制限される。困ったことに、そこにあるのは、災いをもたらしかねない悪い選択肢ばかりだ。(グリーン、タルマッジ)

中国軍の新戦力の多くはオンラインで大規模に結ばれており、米軍の作戦上の課題をひどく複雑にしている。一方、台湾有事の際に中国軍に対抗するためのもっとも有望な米軍の能力の多くは、2030年代まで整備されず、戦力に完全に統合されることはない。このため、2024年から2027年にかけて、台湾防衛が脆弱化する危険があり、習近平はこの段階で軍事的な台湾攻略が成功する可能性がもっとも高いと判断するかもしれない。アメリカは台湾の自衛能力の近代化と強化を支援するとともに、台湾への武力行使を抑止する米軍の能力を強化しなければならない。(フロノイ、ブラウン)

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