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2023.12.2 Sat

キッシンジャー外交の本質
―― 冷徹なリアリストの素顔

キッシンジャーは・・・アジアと中東という、平和、繁栄、民主主義がまだ広く確実には根づいていない二つの重要な地域に対しては、アメリカの政策決定者は保守的な「パワー・バランス」(勢力均衡)路線を目指すべきで、(内側の改革を強硬に求めるべきではない)と指摘している。(マンデルバーム)

国益だけを見つめる冷徹な現実主義者として知られるキッシンジャーだが、彼の外交センスは、冷徹な分析能力というよりも、実際には、彼自身もあまり気づいていない二つの資質によって導かれていた。一つは、「膨大な情報を踏まえた上で、そこから実行可能なエッセンスを導き出す類い希な能力」である。・・・そしてもう一つの才能は、「他人の能力を直感的に見抜く力」、そして、でき得る限り相手の立場に「共感」を示す柔軟性である。(ゼリコー)

大国間戦争が80年近くもなかった国際秩序を形作るなかでわれわれが学んだ教訓は、いまAIと対峙する指導者にとって最良の指針となる。AIのもっとも危険な発展と応用を防止するためのガイドラインを作成する機会を手にしている米中は、この機会を早い段階で生かす必要がある。(キッシンジャー、アリソン)

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