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2023.1.22 Sun
次のアウトブレイクに備えよ
―― パンデミック化を阻止するには
2月号プレビュー
動物と人間の人口がともに増える一方で、都市化、近代化が進んだことで、動物の病気が人間にも広がり、蔓延する危険が大きくなっている。ヒトと動物の間でウイルスの交換がますます増えて、いくつかの変異が起きれば、人類は、H1N1のように感染力が高く、MERSのように致死性の高い、新たなコロナウイルスかインフルエンザウイルスの襲撃を受けるかもしれない。このようなパンデミックは、種としての私たちの存続を脅かすことなるだろう。(ブリリアント他)
われわれが所属する非営利組織は「新型コロナウイルスがアジアでコウモリから人間へと感染を広げていく恐れがある」とかねて警告してきた。この60年にわたって、人獣共通感染症のほとんどの病原体は、農業、食糧生産、土地利用の変化によって、あるいは(野生動物取引市場などにおける)野生動物とヒトの接触によって発生してきた。これを抑え込むにはハイリスクの農業、食糧生産法をより安全なやり方へ移行させるために、土地利用に関する国内の法律・規制と国際的な法・ルールを強化し、調和させる必要がある。(マッカラバ、カレシュ)
多くの研究が、気候変動と人獣共通感染症の脅威拡大との関連を指摘している。温暖化によってウイルスの宿主の生息域と数が拡大し、ヒトとの接触、感染経路が増えているからだ。世界の平均気温の上昇に伴い、アメリカ疾病対策予防センター(CDC)に報告される新規ライム病の患者数は、1990年代初頭からほぼ倍増し、いまや年約3万人に達している。このような状況を受けて、近年では、人間、動物、自然環境のつながりを重視した公衆衛生の考え方、「ワンヘルス」という概念が広がりをみせている。(クロブシスタ、メイズランド)
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次のアウトブレイクに備えよ
―― パンデミック化を阻止するには2023年2月号 ラリー・ブリリアント パンディフェンス・アドバイザリー社CEO マーク・スモリンスキー 非営利団体エンディング・パンデミクス理事長 リサ・ダンツィグ パンディフェンス・アドバイザリー社顧問 W・イアン・リプキン コロンビア大学公衆衛生大学院 感染免疫センター所長
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パンデミックの社会・経済コスト
―― 予防とコスト分担の国際的仕組みを2020年4月号 キャサリン・マッカラバ エコヘルス・アライアンス リサーチサイエンティスト ウィリアム・B・カレシュ エコヘルス・アライアンス 上席副会長
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気候変動と感染症
―― 温暖化と感染症リスクの拡大2022年12月号 クレア・クロブシスタ Deputy Editor for cfr.org リンゼー・メイズランド Editor for cfr.org