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2022.7.8 Fri

プーチンの歴史との闘い
―― ウクライナ対ロシア

国家の地位を勝ち取ったのは31年前だとしても、ウクライナには何世紀にもわたる豊かな歴史がある。「あまりにも弱く、あまりにも分断しているため、ウクライナはひとり立ちできない」という主張も、戦場で見事に打ち砕かれている。ネオナチだという侮辱が言いがかりであることは、ゼレンスキー大統領がユダヤ系であることで立証されている。プーチンが語る架空のウクライナと、現実のウクライナのギャップが大きくなるにつれて、その嘘を維持するのは難しくなり、その矛盾はひどく深刻になっている。(レイド)

青年期のプーチンが信じたのは、学校で強制されるマルクス・レーニンのイデオロギーではなかった。それは、英雄的な超大国のイメージ、廃れてはいても依然として野心を捨てていないホームタウン、サンクトペテルブルクの帝国的な壮大さだった。力こそが彼の信じるドグマであり、幼少期に暗記させられた「労働者の英雄主義」よりも、皇帝たちのモットーだったロシアの「正統性、独裁制、民族性」の方が、プーチンにはなじみがよかった。(グラッサー)

欧米との緊密なつながりを求める一方で、「自国が軽く見られている」と反発し、協調路線から遠ざかろうとする。ロシアはこの二つの局面の間を揺れ動いている。さらにロシアの安全保障概念は、外から攻撃される不安から、対外的に拡大することを前提としている。だが現実には、ロシアは、(経済、文化など)他の領域でのパワーをもっていなければ、ハードパワー(軍事力)だけでは大国の地位を手に入れられないことを具現する存在だ。現在のロシアは「新封じ込め」には値しない。(コトキン)

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