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2022.6.11 Sat

プーチンは敗北する
―― ロシアの不安定化に備えよ

ウクライナにおけるプーチンの戦争の流れは、ますますロシアに不利な方向に推移しており、ロシアの壊滅的な敗北で終わることはほぼ間違いないだろう。日露戦争の教訓も考えるべきだ。戦争に敗れたロシア民衆はその敗北に屈辱を覚え、ニコライ2世に対して反乱を起こし、より自由主義的な政権を誕生させた。実際、ロシア連邦安全保障会議がプーチンを解任する可能性もある。この場合、政治権力が崩壊し、最終的に市民派が権力を掌握するかもしれない。だが、プーチンが秘密警察の動員に成功して、ロシアを北朝鮮のような国に変える恐れもある。(アスルント)

2021年秋に反ウクライナキャンペーンを開始し、2月にウクライナに侵攻するまで、ロシア市民のプーチン支持率はゆっくりとだが着実に上昇し、11月に63%だった支持率は2月には71%へと、ここ数年のピークに達した。だが、ルーブルが暴落し、ロシアの国際的な孤立が深まるなかで、政府がこのまま幻想を主張し続けるのは難しくなる。プーチンはすでにウクライナを失っている。しかも、ロシアとロシア市民を彼と同じように孤立させてしまったこの戦争の結果、プーチンはロシアも失うのか、それともロシアを自分とともに自滅させるのだろうか。(コレスニコフ)

最近プーチンは「フェイクニュースを流せば15年の禁固刑に処す」という新法に署名した。一方で、欧米の厳格な経済制裁によって、ロシアで基本物資の不足や大量の失業が起き、人的資本流出を食い止めるための渡航制限も導入されるだろう。しかも、モスクワはユーチューブさえも閉鎖すると脅しており、ウィキペディアのような情報サイトもブロックするかもしれない。このままロシア人全員を対象に徹底的な制裁を続ければ、欧米はロシアを貧窮化・没落させ、プーチンを増長させる危険がある。制裁はロシア政府高官とオリガルヒおよびその資産をターゲットにすべきだ。(ミロノフ)

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