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2022.4.8. Fri
紛争の拡大とエスカレーション?
―― ロシアと欧米が陥るスパイラルの罠
ウクライナの都市を砲撃するなど、軍事面でロシアが欧米よりも自制心を失っているのは事実だろう。一方、バイデン政権は、紛争に直接介入する意思はないと表明している。つまり、一方はエスカレートするのもやむを得ないと考え、他方はエスカレーションの回避を望んでいる。しかし、スパイラルとは、直接対決を望んでいない国同士でも、結局は競争関係が激化し、戦争のリスクを冒すという悲劇性をもっている。双方とも、さらに圧力を強めるつもりでいる。こうなると、一つの火種が大火にエスカレートしかねない。(アッシュフォード、シフリンソン)
ウクライナが国内へのICCの管轄権を受け入れ、一方で加盟40カ国がウクライナにおける事態の調査を要請したことで、ICCは戦争犯罪(や人道に対する罪の)大規模な調査を開始した。最終的にどのような残虐行為が戦争犯罪として特定されるにしても、ロシアの指導者はウクライナで起きている残虐な犯罪について知らなかったと主張するのは難しい状態にある。(ロシアはICCの締約国ではないため、その指導者を平和に対する罪では裁けないかもしれないが)、特別法廷があれば、ICCが管轄をもっていないロシアの指導者に対しても侵略犯罪で訴追できるようになる。(シェーファー)
最近プーチンは「フェイクニュースを流せば15年の禁固刑に処す」という新法に署名した。これで、ウクライナ戦争に関するモスクワに都合の悪い報道はすべてフェイクニュースとみなされる。一方で、欧米がロシア経済全体への締め付けを続ければロシアをより大きく、より不安定で、より危険な北朝鮮に変えてしまう危険がある。しかも、モスクワはユーチューブさえも閉鎖すると脅しており、ウィキペディアのような情報サイトもブロックするかもしれない。要するに、ロシアは近く地球上でもっとも孤立した国の一つになる。このままロシア人全員を対象に徹底的な制裁を続ければ、欧米はロシアを貧窮化・没落させ、プーチンを増長させる危険がある。(ミロノフ)