Focal Points

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2022.3.31. Thu

迷走する習近平外交
―― プーチン支持と強権支配の危うさ

ウクライナに対するプーチンの無謀な行動が立証したように、お世辞を並べるイエスマンに囲まれ、歴史的不満と領土的野心に煽られた独裁的指導者は他を脅かす存在になる。もちろん、習近平はプーチンではないし、中国はロシアではない。それでも、類似点が増えていることを無視するのは賢明ではない。粛清と昇進が何度も繰り返されることで官僚制の体質が形作られ、指導者の壮大なビジョンと同じ方向へ流されていく。リーダーは孤立し、意思決定を信頼できるますます少数の顧問に依存するようになる。台湾からウクライナ問題に至るまで、中国の政治体制全体が習近平の指示を仰ぐようになったのは、こうした理由からだ。(ブランシェット)

極端に私物化された政治体制が世界各地に出現している。(プーチンのロシアや習近平の中国など)広く知られているケースを別にしても、バングラデシュからエクアドル、ハンガリーからポーランドまでの多くの諸国で権力者が自身に権力を集中させようと試みている。権力者個人に権力を集中させる政治システムは、冷戦終結以降、顕著に増加しており、この現象は大きな危険をはらんでいる。世界が不安定化するなかで、多くの人が、強権者の方が激しい変動と極度の混乱に対するより優れた選択肢をもっていると考えるようになれば、民主主義の基層的価値に対する反動が起きかねないからだ。(ケンドール=テイラー 、フランツ、ライト)

政治指導者を苦しめるのはいわゆる病気だけではない。権力の座にあるがゆえに国の最高指導者が精神的な変調をきたし、誇大妄想やナルシシズムに陥り、無責任な行動をとるようになることも少なくない。こうした「政治的自信過剰症候群」を患うリーダーは、自分が偉業を成し遂げる能力を持つとともに、それを期待されていると考え、自分にはあらゆる状況下で何が最善かを見抜く力があり、通常の道徳の範囲を超えて行動できると思い込んでいる。政権の座にある期間が長ければ長いほど、こうした傾向は強くなり、その結果、「政策遂行能力の完全な欠落」という事態に陥る。(ヌーランド)

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