2022.2.24. Thu
<3月号プレビュー>
プーチン・ドクトリンの目的、サイバー攻撃と地政学対立、台湾防衛の強化に向けて
「欧米は30年にわたってロシアの正統な利益を無視してきた」。この確信がプーチンの行動を規定している。近隣諸国、旧ワルシャワ条約機構加盟国の主権上の選択を制限するロシアの権利を再び主張し、そうした制約を課すロシアの権利を欧米に認めさせることを彼は決意している。要するに、ロシアのことを、近隣地域に特別な権利をもち、あらゆる重大な国際問題について発言権をもつ、尊敬し、畏怖すべき大国として接するようにさせることが大きな狙いだ。ソビエト崩壊という結末を覆し、大西洋同盟を分裂させ、冷戦を終結させた地理的解決策を再交渉すること。これがプーチンの包括的な目的だ。(ステント)
アメリカのサイバー戦略の大半は、攻撃の原因を取り除くのではなく、その余波を管理することに重点を置き、攻撃からの防衛そして抑止を試みてきた。だが結局のところ、サイバー攻撃は「地政学的緊張の結果」であり、その根底にある相手国との問題を解決しない限り、その現象は抑え込めない。貿易戦争の手を緩めることを条件にすれば、北京は知的財産のサイバー窃盗を抑えることに同意するかもしれない。問うべきは、アメリカと同盟国に、サイバー空間の問題を他の地政学的課題よりも優先して対処する意思があるかどうかだ。(アルペロビッチ)
アメリカは台湾をめぐる戦争で敗北する軌道にある。だが今からでも路線を見直せる。既存のすぐに手に入る軍事資源の分配を見直し、より効率的な計画を立て、重要な同盟関係をうまく生かせば、アメリカは早ければ2020年代の半ばまでには、台湾をめぐる戦争を阻止し、必要であれば相手に勝利する能力を手に入れているはずだ。中国共産党の自制心や10年以上先にならなければ利用できない技術に賭けるのではなく、アメリカの議会と政府は、新たな太平洋防衛戦略を遂行しなければならない。(ギャラガー)