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2022.2.2. Wed
パンデミックの現状をどう捉えるか
―― オミクロンとニューノーマル
考えるべきは、現在進行しているヒトへの感染が新たな変異株を作りだしている危険があることだ。世界人口の約40%は依然としてCOVID19ワクチンを一度も接種しておらず、非常に感染に脆い状態にある。いずれ、以前のバージョンと同じかそれ以上の感染力をもち、より重篤な症状を引き起こし、免疫を回避する能力をもった新しい変異株が登場するかもしれない。政府や国際機関は問題へのあらゆるソリューションをもってはいないことを認識し、未知の事態に備える必要がある。(オスタホルム、オルシェーカー)
深刻な脅威を作り出す変異株はオミクロン株が最後ではないかもしれない。さらなる感染症による犠牲とそれに伴う社会的・経済的混乱を世界が避けるには、もっと効果が長続きする新ワクチンが必要になる。既存の変異株や今後出現する恐れのある変異株に対して、より広範に長期にわたって感染を防ぐことができる新しいワクチンが開発されれば、次のパンデミックでこれまでのような被害を繰り返さないようにできるかもしれない。(ハチェット他)
グローバルな供給量を増やすだけでは、国家間あるいは国内におけるワクチンへの平等なアクセスを提供することはできない。政府や国際機関は、ドナー、市民社会グループ、地域のリーダーたちと協力して、社会から取り残され、周辺化されたコミュニティにワクチンが行き渡るように試みる必要がある。そうしない限り、弱者の多くがワクチンを受けられないままになり、世界全体が再び危険にさらされる。このワクチン格差に正面から取り組まなければならないのは、道徳的に問題があるからだけではない。そうすることが公衆衛生や安全のために必要だからだ。(ウォーカー)
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パンデミックの現状をどう捉えるか
―― オミクロンとニューノーマル2022年3月号 マイケル・T・オスタホルム ミネソタ大学感染症研究・政策センター所長 マーク・オルシェーカー 作家・フィルムメーカー
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ワクチンで変異株を抑え込むには
―― 必要とされるmRNAの進化2022年2月号 ニコル・ルリエ 感染症流行対策イノベーション連合(CEPI) 戦略アドバイザー ヤコブ・P・クレイマー CEPI臨床統括者 ケート・ケランド CEPI チーフサイエンティフィックライター リチャード・J・ハチェット CEPI最高経営責任者
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残存する国内ワクチン格差
―― 周辺化されたコミュニティへの国際的対応を2021年12月号 ダーレン・ウォーカー フォード財団会長