Focal Points

2022.11.29 Tue

<12月号プレビュー>
ロシアの衰退、欧州のナショナリズム、変貌したサウジ

ロシアの外交官は長年、ワシントンに対決路線をとり、嘘とつじつまの合わない言葉を並べて、ロシアの対外的干渉を正当化するように強いられてきた。だが、最終的に、外国だけでなく、ロシアの指導部もこのプロパガンダに感化されるようになった。この戦争は、エコーチェンバーで下された決定がいかに裏目に出るかを明確に示している。(ボンダレフ)

民主主義の規範と制度が社会に力強く定着している社会では、反民主主義や過激主義をいくらアピールしても支持者はほとんど得られないために、急進派は穏健化せざるを得なくなる。戦後、共産党がたどった軌道、穏健化を選んで台頭した「イタリアの同胞」、「スウェーデン民主党」などの右派ポピュリスト政党の軌道は、まさにこの歴史的流れを裏付けている。問題は、アメリカ政治が逆方向に向かっていることだ。(バーマン)

もはやサウジはかつてのようなアメリカのパートナーではない。むしろロシアと組んで、石油市場への影響力とサウジの未来ビジョンを守ろうとしている。サウジは国際政治と貿易の双方において、新興国がより大きな役割を果たす、アメリカとは異なる経済ビジョンを思い描いている。国際システムがますます流動化するなか、サウジは国際関係でこれまで以上に大きな役割を果たすことになるのかもしれない。(ヤング)

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