Sodel Vladyslav / Shutterstock.com
2022.11.23 Wed
<12月号プレビュー>
ウクライナは冬を越せるのか
―― 世界戦争リスクを考える
過半数のアメリカ人が依然としてウクライナ支援を支持しているとはいえ、アメリカの支援はやり過ぎだと考える共和党支持者の割合は48%に上昇している。それでも欧米は、資金援助、電力と暖房の復旧に必要な機器の提供、ウクライナのインフラをミサイル攻撃から守る防空システムの供与など、さまざまな対策をとることで、ウクライナがこの冬を乗り切れるようにしなければならない。(ヘリング、ヘイルブラン)
アメリカが東欧と太平洋で二つの戦争に直面した場合、米軍は長期的なコミットメントを強いられるだろう。北京の利益と影響力が広がっているだけに、中国との戦争になれば、戦域が台湾と西太平洋に限定されることはなく、それは、インド洋から米本土までの複数の地域に広がっていくだろう。そのような戦闘で勝利を収めるには、アメリカの防衛産業基盤を直ちに拡大・深化させなければならない。(マンケン)
リベラルな国際秩序のルールに従うように教育されてきた同盟国の政策立案者と外交官は、無秩序のなかを歩んでいくことを学んでいかなければならない。「戦場の霧」が、ソーシャルメディアのスピードと信頼性の低さによってさらに濃くなり、辺りを覆っている。この霧がもっともうまく考案された戦略さえも曖昧にしてしまうかもしれない。世界を震撼させたキューバ・ミサイル危機は13日間続いたが、ウクライナ戦争が引き起こす危機は今後長期的に続く。(フィックス、キマージュ)