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2022.10.3 Mon
4州併合の意味合い/クーデターリスク
――追い込まれたプーチン
主要国がロシアによる「併合」を認めないとしても、モスクワが、これらの地域をロシアの領土と位置づければ、「領土」を守るための試みを強化することが正当化される。もっとも、モスクワが総動員を回避したのは、ロシアの若者がウクライナにおけるプーチンの目標のために実際に戦い、死ぬ準備ができているかどうかを疑っていたからだという見方が広がっている。一方で、最近におけるロシア軍の撤退とウクライナ戦争での進展のなさから、強硬派の批判を緩和するために部分的であっても動員を実施せざるを得なかった。実際、プーチンが直面しているもっとも深刻な抵抗は、より攻撃的な行動を求める強硬派だろう。(グラハム)
プーチンは退任を選ぶのではなく、今後も大統領にとどまることを決断するだろう。しかし、その悪名高い統治は23年目に近づこうとしており、彼が70歳に近づくにつれて、潜在的な後継者たちが、ライバルの動向を窺い、後継シナリオをあれこれ考えるようになるのはほぼ間違いないだろう。プーチンを完全に信頼している者はいないし、側近たちが相互に相手を信頼していることもない。クーデターは、基本的に権力中枢における人間関係、ライバルたちの野心と裏切りによって引き起こされてきた。(ラドチェンコ)
ウクライナにおける戦争の流れは、ますますロシアに不利な方向に推移しており、ロシアの壊滅的な敗北で終わることはほぼ間違いないだろう。10年に及んだアフガニスタン戦争では、1万5000人のソビエト兵が命を落とし、それが共産主義体制の崩壊を促した要因の一つとなったが、今回のウクライナ戦争では、最初の2カ月でそれを上回る数のロシア兵が命を落としている。実際、ロシア連邦安全保障会議がプーチンを権力ポストから解任する可能性もある。だが一方で、プーチンが秘密警察の動員に成功して、ロシアを北朝鮮のような国に変える恐れもある。(アスルンド)