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2022.10.15 Sat
習近平の弱点
―― 中国を脅かす奢りとパラノイアの政治
習近平は中国の左派、中道派、右派の三つの派閥のすべての反発を買っている。左派は、毛沢東の政策を復活させるほど十分に(習は)踏み込んでいないと不満を募らせ、中道派は習近平が経済改革路線を反故にしたことに憤慨している。右派は、習近平がわずかな政治的議論さえも封じたために、完全に沈黙せざるを得なくなっている。エリート層のなかには、習が伝統的な権力分配の構造を破壊したことに憤慨し、「彼の無謀な政策が党の将来を危うくしている」と考えている者は少なくない(蔡)
中国軍の新戦力の多くはオンラインで大規模に結ばれており、米軍の作戦上の課題をひどく複雑にしている。一方、台湾有事の際に中国軍に対抗するためのもっとも有望な米軍の能力の多くは、2030年代まで整備されず、戦力に完全に統合されることはない。このため、2024年から2027年にかけて、台湾防衛が脆弱化する危険があり、習近平はこの段階で軍事的な台湾攻略が成功する可能性がもっとも高いと判断するかもしれない。特に、台湾に対する政治的強制策や経済的封鎖策などの優先策が失敗していれば、そう考えるだろう。(フロノイ、ブラウン)
中国が世界のどこかで何かを試みると、その国の政府や住民が何を望んでいるかも十分考えずに、とにかく対抗しようとする罠にワシントンははまっている。自由に使えるリソースについての現実的な評価を基盤とする長期ビジョンがないため、どの領域や地域に優先順位をつけるかにさえ苦労している。より良いアプローチの指針は、その世界ビジョンに求めるべきだ。つまり、恐れるものではなく、求めるものをベースとする思想とビジョンが必要だ。(ワイス)