2021.8.26. Thu
<9月号プレビュー>北京の泥棒男爵たち、グローバルな独占の弊害、反アジアヘイトクライムと対中政策
この40年で、中国の政治腐敗は構造的に変化し、窃盗型から(特権を手に入れるための)アクセスマネー型へ変化した。資本家の利益に見合う動きをする政治家には報酬が与えられ、特権を買った資本家は私腹を肥やす。縁故資本主義の危険性に気づいている習近平は、政治腐敗が少なく、平等性が高い中国バージョンの革新主義時代を実現しようと、冷酷に強制力を用いている。それにしても、なぜ「政治的に腐敗している国は貧しい」というトレンドを、中国は回避できているようにみえるのか。・・・(アン)
ワクチンをどう確保し、半導体の生産をどのように分担するか。フェイスブックやグーグルのような技術と情報の独占企業をいかに管理し、電気自動車のバッテリーを製造するのに必要なレアメタルをどう共有していくか。こうした問題のほとんどは「(重要製品の)生産や通信の管理がごく少数の企業や国家に国際的に集中している」という、たった一つの現象によって引き起こされている。現在の独占企業は、かつての独占企業同様に、利益を得るために重複をなくし、独占状況に派生する影響力を利用する戦略をとっている。だが国際的独占が作り出す問題をめぐる衝突、それに対する政府の保護主義的対応は、いまや国際的な産業・金融システムを脅かす以上の脅威を作り出している。(リン)
アジア系アメリカ人を標的とする社会暴力が増加している。米国内のアジア系成人の45%に相当する1000万人以上が「パンデミックが始まって以降、人種差別を直接的に経験している」と調査に答えている。ワシントンが、中国の脅威を極端なレトリックで誇張するなか、北京とつながっているかどうかに関係なく、米社会の一部の人々はアジア人やアジア系アメリカ人を敵視している。ワシントンが「中国のことを、アメリカのあらゆる苦境の憂さを晴らすサンドバッグ」として使うのを止めなければ、アジア系アメリカ人は今後も脅かされ続けるだろう。(ヨング、リー)