Kodda / Shutterstock.com
2021.4.7.Wed
<論争>
気候変動と原子力発電
2011年、日本の福島第一原子力発電所の原子炉3基がメルトダウンし、1986年のチェルノブイリ原発事故以降、最悪の事態が引き起こされた。日本を含む一部の国はその後原子力エネルギーの使用を見直した。しかし、他の多くの諸国は、原子力への立場を変えなかった。今後、気候変動問題への対策から、各国は原子力発電の利用を考慮に入れざるを得なくなるとする見方もある。だがそれでも、エネルギーミックスでみると原子力エネルギーは比較的小さなシェアに留まると考えられる。(メイズランド)
ソーラーパワーの電力網へのアクセス制限や固定価格買取制度の見直しなど、日本ではソーラーパワー拡大を阻む逆風が吹いている。日本の電力会社は、ソーラー電力を買い取って電力網に組み込むよりも、安定した資本収益を期待できる一元的な原発施設のほうが好ましいと考えているのかもしれない。しかし、原子力とソーラーを組み合わせてともに推進すれば、エネルギー安全保障を強化し、経済を拡大し、地球温暖化対策上のゴールに近づき、他の諸国が踏襲できるモデルを示すことができる。日本は、安全性に配慮しながら原子力による電力生産を強化するとともに、ソーラーエネルギーを育んでいく長期的なエネルギービジョンを示すべきだろう。(シバラム)
「薪や動物糞から石炭」、「石炭から石油」、そして「石油から天然ガス」へと、人類はこれまで3度にわたって大きなエネルギーシフトを経験し、いまや「化石燃料から再生可能エネルギーへの第4のシフト」が起きつつある。しかし、現実には、再生可能エネルギーでは超高層ビル、地下鉄、そして都市でひしめき合うように生活する数多く市民の物質的需要を満たすことはできない。環境へのダメージを少なくし、より信頼できるエネルギー密度の高い資源へシフトしていくには原子力というオプションしか残されていない。・・・(シェレンバーガー)