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2021.4.2. Fri
<4月号プレビュー>
中国のワクチン外交と途上国
―― 信頼とソフトパワーにつながるか
ワクチンの接種がすすみ、パンデミックが収束へ向かうことが期待されるなか、コロナウイルス変異株の出現で、逆にパンデミックが長期化するリスクが生じている。変異株は人から人への感染力が高いかもしれない。すでに追い込まれている病院や医療施設へさらに大きな圧力をかける恐れもある。もっとも厄介なのは、ワクチン接種またはCOVID19への感染から得た免疫が、変異株への感染を防げないかもしれないことだ。・・・(オスタホルム、オルシェイカー)
すでに北京は69カ国に無償でワクチンを提供し、この他にも28カ国にワクチンを商業輸出している。この「ワクチン外交」は中国のソフトパワー強化につながるだろうか。チリ、カンボジア、ペルー、セルビア、アラブ首長国連邦(UAE)、インドネシア、トルコ、ジンバブエ、セイシェルなど多くの国の首脳は、中国製ワクチンの最初の予防接種を個人的あるいは公的に歓迎している。但し、ワクチン外交をめぐってはロシアやインドとの競争も激化している。しかも中国ワクチンには有効性や透明性をめぐってはっきりしない部分もある。・・・(ファン)
世界保健機関(WHO)は、途上国の重症化リスクがある人々に20億回分のワクチンを提供するイニシアティブを促進しているが、中国とは違って、アメリカは構想への参加を拒否している。実際、世界人口の半数以上が暮らし、国がワクチン接種費用を負担するのが財政的に難しいアジアやアフリカそして中東の新興国では、中国メーカーのワクチンが圧倒的なシェアを握りそうだ。2021年、世界の注目を「健康シルクロード」に向けることで、中国は世界の技術大国かつ公衆衛生の擁護者として自らを「リブランド」しようとしている。(フライマン、ステビング)