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2021.3.19. Fri
米中対立と戦争リスク
―― 北京は状況をどうみているか
ワシントンが経済のディカップリング(切り離し)と全面的な対中対決路線を選べば、世界のあらゆる国はどちらかにつかざるを得なくなり、エスカレーションリスクは高まる一方となる。必要なのは米中間の「管理された戦略競争」枠組みだろう。双方の安全保障政策と行動に一定の厳格な制約を設けつつも、外交、経済、イデオロギーの分野ではオープンで全面的な競争を展開する。一方で、二国間アレンジメントや多国間フォーラムを通じて、特定の分野では協力する。このような枠組みを構築するのは難しいとしても、不可能ではないだろう。そうしない限り、壊滅的な結末に直面する恐れがある。(ラッド)
中国の国家規模と経済の重みが東南アジア諸国の不安を高め、習近平国家主席の強引な外交路線がそうした感情をさらにかき立てている。「中国かアメリカか」、いずれか一つとの排他的な関係を選べる国は東南アジアには存在しない。アメリカが中国に対してあまりにも強引なスタンスをとれば、事態が紛糾するのではないかという地域的懸念を高め、あまりにも控えめな態度をとれば、見捨てられるのではないかと不安になる。だが「国家は競争する一方で、協力することもできる」。これこそ基本的に東南アジアがアメリカと中国の関係に期待していることだ。(カウシカン)
2008年の金融危機を前に、北京の指導者たちは欧米の衰退が実際に始まったと考えるようになった。マルクス主義的な歴史の流れを信じる北京の指導者たちは、毛沢東の言う救いようのない「反動勢力」で無為に中国を抑え込もうとするアメリカは挫折すると考えてきた。それだけに、ワシントンは中国の能力と目的を評価するだけでなく、「北京の指導者たちがアメリカをどのように認識しているか」を踏まえた戦略をとるべきだ。中国とうまく競い合うためにアメリカが実行しなければならないことの多くは、アメリカが管理できる範囲内にあり、まだ行動のための時間も残されている。(ゲワーツ)