2021.2.6. Sat
<2月号プレビュー>
ビッグテックが民主主義を脅かす、次のパンデミックに備えよ、分裂と相互不信をいかに修復するか
ビッグテックを抑え込むべきか。その経済的根拠は複雑だが、政治的にはそうすべき説得力に満ちた理由がある。すでにアメリカとヨーロッパの双方で、政府はビッグテックに対する独占禁止法違反の訴訟を開始しており、裁判は今後何年にもわたって続くだろう。だがこのアプローチは最善の方法とは必ずしも言えない。むしろ、この問題に対処できるのはミドルウェアだろう。現在、プラットフォームが提供するコンテンツは、人工知能プログラムによって生成された不透明なアルゴリズムによって決定されているが、ミドルウェアを使えば、ユーザーが管理を取り戻せるようになる。(フクヤマ、リッチマン、ゴエル )
パンデミックの経済的、社会的余波は、今後数十年は続き、おそらく、今回の危機が21世紀最後のパンデミックになるわけでもないだろう。現在の公衆衛生構造は「感染症の(局地的な)アウトブレイク」を前提としている。だが「世界のほぼすべての国が同じようにリスクにさらされるパンデミック」には別のアプローチが必要になる。事実、パンデミックを前に、限られたリソースしかもっていない世界保健機関(WHO)、世界銀行などの国際機関が大きな圧力にさらされた結果、各国は独力で感染症対策を実施せざるを得ない状況に追い込まれた。パンデミックに対する真のグローバルな対応を実現するには、各国はデータ共有を含めて、共同の試みをすることに合意しなければならない。(ナッゾ)
「すべてのアメリカ人の大統領になる」。現状からみて、これほど難しい課題もない。支持政党を分ける大きな要因はもはや政策ではなく、心の奥底にある価値観やアイデンティティだ。このために(自分の支持政党ではない)「もう一つの政党」は反対政党であるだけでなく、敵とみなされている。そして政治とは、共通の問題に対処していくための妥協点をみつけることではなく、自分の側が相手に勝利を収めるための闘いとみなされている。バイデンはブルーカラーの労働者、高齢の文化的伝統主義者、急進的な変化を恐れる女性たちに寄り添っていくつもりだ。警察の予算を打ち切ることはなく、中産階級の増税もしない。彼は社会を統一したいと考えている。(ソーヒル)
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ビッグテックが民主主義を脅かす
―― 情報の独占と操作を阻止するには2021年2月号 フランシス・フクヤマ スタンフォード大学 フリーマン・スポグリ国際研究所シニアフェロー バラク・リッチマン デューク大学法科大学院教授、経営学教授 アシシュ・ゴエル スタンフォード大学教授(経営科学)
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次のパンデミックに備えよ
―― グローバルな対応をいかに整備するか2021年2月号 ジェニファー・ナッゾ ジョンズ・ホプキンス大学 ヘルスセキュリティセンターシニアスカラー
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分裂と相互不信をいかに修復するか
―― 寸断されたアメリカの政治と社会2021年2月号 イザベル・ソーヒル ブルッキングス研究所シニアフェロー