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2021.2.1. Mon

「自由世界」の連帯と組織化を
―― 台頭する権威主義モデルと追い込まれた欧米

長く、民主主義(と民主国家)のことを、自国を脅かす実存的脅威とみなしてきた中国、ロシアなどの権威主義国家がいまや攻勢に出ている。国際ルールや欧米のリベラルな価値を形骸化させ、民主主義を追い込むことで、権威主義的体制の台頭を可能にし、思うままに権力を行使できる国際環境を形作ることを彼らは望んでいる。米新政権は権威主義に対抗するために、民主国家による民主主義のための協調を組織すべきだろう。(ビンドマン)

自国のパワーをアメリカのそれと比較して相対的に捉えるモスクワと北京は、欧米民主国家を衰退させれば、自国の国際的な地位向上につながると考えている。ロシアが民主体制を様々な方法で混乱させ、切り崩す一方で、中国が欧米民主主義の代替モデルを示し、困難な状況にある国に援助や投資を提供することで、弱体な民主国家が欧米から離れていく環境が作り出されている。これが侮りがたい権威主義モデル台頭の潮流を作り出しつつある。(テイラー、シュルマン)

民主国家をターゲットにするロシアの情報操作の目的は、アメリカやヨーロッパの主要国を中心とする民主国家の名声そして民主的システムの根底にある思想を多面的にかつ容赦なく攻撃することで、自国をまともにみせることにある。一方、中国の情報操作は、問題のある国内政策や抑圧を覆い隠し、外国における中国共産党に批判的な声を可能な限り抑え込むことを目的にしている。(ウォーカー、ルドウィッグ)

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