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2021.12.29. Wed

アンソロジー「壊れゆく世界環境と秩序」
――パンデミックはなぜ終わらないか

すでに10数種の動物種に感染を広げている以上、新型コロナウイルスは根絶できない。世界規模の集団免疫も期待できない。一方では、新種の変異株が次々と登場している。より高度な耐性をもつか、より感染力の強い新型の変異株については、追加のブースターショット、あるいは全く新しいワクチンが必要になるかもしれず、この場合、ほぼ200カ国の数十億人にワクチンを接種するというロジスティック上の大きな課題に世界は直面する。現在の検査キットをすり抜ける変異株が出てくる恐れもある。要するに、パンデミックが最終局面にあるわけではない。(リプキン他)

ワクチンの接種がすすみ、パンデミックが収束へ向かうことが期待されるなか、コロナウイルス変異株の出現で、逆にパンデミックが長期化するリスクが生じている。変異株は人から人への感染力が高いかもしれない。すでに追い込まれている病院や医療施設へさらに大きな圧力をかける恐れもある。もっとも厄介なのは、ワクチン接種またはCOVID19への感染から得た免疫が、変異株への感染を防げないかもしれないことだ。・・・(オスタホルム、オルシェイカー)

パンデミックは今後ますます頻繁に起きるようになるかもしれない。次のアウトブレイクに備え、それに対抗していくことを明確な目的とする恒久的制度・機構を考案し、維持していくべきだ。途上国に支援を迅速に提供し、最先端の研究を促し、人命を救える医薬品生産を加速できるようにしなければならない。そうしない限り、国際社会はさらに壊滅的な被害をもたらす危険のある次のパンデミックに無防備なまま直面することになる。(ハインリッヒ、オマー)

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