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2021.12.27. Mon

<2022年1月号プレビュー>
ロシアの衰退という虚構、権威主義の黄昏、 政治的兵器とされた移民たち

人口減少や資源依存型経済など、ロシア衰退の証拠として指摘される要因の多くは、ワシントンの専門家が考えるほどモスクワにとって重要ではない。プーチン大統領が退任すれば、ロシアが自動的に対米対立路線を放棄すると考えるべきではない。プーチンの外交政策は、ロシアの支配層に広く支持されており、クリミア編入をはじめとする未解決の紛争も彼の遺産とみなされている。アメリカとの対立は今後も続くだろう。つまり、ワシントンには中国に焦点を合わせ、ロシアの衰退を待つという選択肢はない。アメリカのリーダーは、ロシアを衰退途上にある国とみなすのではなく、永続的なパワーをもつ大国とみなし、ロシアの本当の能力と脆弱性を過不足なく捉えて議論しなければならない。(コフマン、テイラー)

近年、中ロを含む権威主義国家の指導者の一部が力をもつようになったのは事実だが、その多くは、自らの約束をすでに実現できなくなっている。透明性の欠如や弱いものいじめ的なやり方ゆえに、中国を友好国とみなす国はもはや存在しない。ロシアの現政権も腐敗し、信頼できず、終演に近づくワンマンショーとみなされている。一方、民主主義の優れた財産とは、あらゆる人々に最善を尽くすことを求め、人権、個人の自由、そして社会的責任を尊重することを基盤にしていることだ。これに対して、独裁者が民衆に求めるのは服従だけだし、それが人々を鼓舞することはない。しかも、独裁者の多くはいまや自らの約束を実現できなくなり、民衆の不満は高まっている、民主主義の大義が死滅しつつあるわけではない。カムバックしつつある。(オルブライト)

「欧州連合(EU)に簡単に入国できる」という嘘の約束にだまされて、移民たちは、ベラルーシやその周辺国ではなく、主にイラクやクルディスタンからやってきた。観光ビザでベラルーシに集まった彼らは、バスでポーランドとの国境沿いに送り込まれた。要するに、ベラルーシのルカシェンコ大統領はEU側から譲歩を引き出そうと、人道危機、移民危機を人為的に演出した。歴史的には、移民が政治的兵器として用いられるのは今回が初めてではない。だが、ルカシェンコ政権のシニカルな策略から学ぶべき教訓は、紛争が伝統的戦場からあらゆる生活空間に拡大するにつれて、戦略的な偽情報の拡散同様に、移民も新たな兵器とみなされる時代になったということだ。ルカシェンコは多くの点で古いタイプの独裁者だが、彼が行使した「移民戦争」は未来の闘いのあり方の一つを示している。(ガレオッティ)

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