Focal Points

2021.12.17. Fri

<2022年1月号プレビュー>
ロシアとウクライナの紛争リスク、アフガンに迫る人道的悲劇、インフレは今後も続くのか

かつてはロシアとの対話に前向きな姿勢を示していたウクライナのゼレンスキー大統領も、いまや対ロ妥協路線を放棄し、欧米との協調を模索している。ウクライナとの国境線に部隊を動員しているモスクワはもはや外交の機会は失われたとみているのかもしれない。しかも、ワシントンが中国との競争に関心と資源をシフトさせているために、プーチンは「ウクライナはアメリカにとって周辺的な関心事にすぎない」と確信しているかもしれない。モスクワが武力によって現在の均衡をリセットする環境が整いつつある。(キメージ、コフマン)

アフガニスタン全土が食糧不足に陥っていく恐れがある。カブールなどの大都市や州都では、何十万もの公的部門の労働者、教師、医療従事者の給料が支払われておらず、その家族は最低限の収入さえ得られなくなっている。農村部では、干ばつ、現金や市場の不足、そして冬の到来が大きな災害を引き起こしかねない状況にある。タリバンに対する制裁を求めている安保理決議第1988号は依然として有効だが、国連は人道的活動には決議は適用されないと明確に示すこともできるだろう。われわれは直ちに危機的状況に対応すべきで、人道的悲劇が起きて行動を起こすのでは手遅れだ。アフガン民衆を救うタイムリミットが近づきつつある。(マッキンリー)

短期的にはファンダメンタルズが世界的に不足しているため、物価上昇圧力はしばらく続くかもしれない。パンデミックの影響であらゆるものがデジタル化されているだけに、半導体チップの不足は特に深刻だ。それでも、いずれ落ち着いてくる。中期的に考えれば、価格を押し上げる供給不足は、一時的なものに終わると考えられる。供給が安定し、需要が落ち着けば、適度な引き締め策で十分に対処できるようになる。2023年初頭までには、インフレ率は目標の2%を少し上回る程度で安定しているだろう。・・・(マラビー)

論文データベース

カスタマーサービス

平日10:00〜17:00

  • FAX03-5815-7153
  • general@foreignaffairsj.co.jp

Page Top