Focal Points

2021.1.8. Fri

<1月号プレビュー>
新大統領が直面する内外のアジェンダ、中国が望む世界 、コロナ後の経済再建を考える

新政権は、国内問題の解決を優先し、パンデミックを終わらせ、社会に広く恩恵を与える平等な経済再生を一気呵成に実現し、ほころびをみせ始めた民主的制度を改革しなければならない。当然、ワクチンのグローバルな流通を先導し、留学生のためのアメリカでの教育機会を拡大し、内外で政治腐敗と闘っていく姿勢をアピールしなければならない。アメリカの強さを利用し、中国の行き過ぎた対外関与が作り出した空白をうまく利用すれば、そうした構想は、アメリカの能力への信頼を大きく引き上げることができる。これが、今後、アメリカの利益を促進するために必要なパートナーシップの説得や連帯の構築に向けた基盤を作り出すことになる。(パワー)

世界第2位の経済大国である中国が、ライバルが規定した条件で世界秩序に参加するはずはない。特に、2008年のグローバル金融危機以降、中国指導部は、自国の権威主義的統治システムは、自由主義国家に至るプロセスにおける一つの形態ではなく、それ自体が目的地であると明言するようになった。明らかに国際秩序を作り替えることを望んでいる。今後の展開にとっての重要な鍵は、中国が世界における自らの野心を、他国にとってある程度許容できるものにできるかどうかだ。現実には、もっともらしい新世界秩序を作る中国の能力を脅かしているのは、その権威主義体質に他ならない。(ミッター)

2009年と比べて今回は財政政策上より多くの手を打てる。グローバル金融危機後の2009年1月におけるアメリカの債務残高が国内総生産(GDP)の50%未満だったのに対して、パンデミックを経たバイデンの大統領就任時には債務がGDPの100%におそらく達していることを考慮すれば、この見方は間違っているようにも思えるかもしれない。だが、かつてと現在では金利に違いがある。2009年1月の段階で10年国債の実質金利はおよそ2%だったが、2021年1月のそれはマイナス1%程度になると考えられる。バイデンがキャンペーンで約束してきた政策を実施すれば、回復は加速する。景気サイクルとワクチンも追い風を作り出すはずだ。(ファーマン)

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