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2021.1.22. Fri
資本主義後の経済システム
―― ベーシックインカムの台頭
グローバル経済の未来を左右するのは、資本主義と他の経済システムの競争ではなく、資本主義内の二つのモデル、つまり、「リベラルで能力主義的資本主義」と「政治的資本主義」間の競争だろう。格差を是正し、民衆の資本主義への進化を実現するには、中間層により大きな金融資産の保有を促す税インセンティブを与え、超富裕層の相続税を引き上げ、公教育の質を改善し、選挙キャンペーンを公的資金でカバーできるようにしなければならない。(ミラノヴィッチ)
格差はつねに資本主義社会の特徴の一つだったが、人々は自分たちの生活の質が改善し、機会が拡大していると感じ、子供たちは自分たちよりも良い生活を送れると期待できる限り、そうした格差に目くじらを立てることはなかった。だが、この数十年でそうした機会が消失し始めると、システムそのものが不公正で、多くの人にとって利益にならないのではないかという見方が勢いを持ち始めた。新しい経済モデルを導入して人々をエンパワーし、公共財やインフラの所有を広げることで経済における市民の発言権を高めるべきだ。(ファーンブレー)
パンデミックは、多くの人が長く気づいていた真実に政治家を目覚めさせた。「既存の社会的セーフティネットは穴だらけで、 いまや新しい何かを試すべきタイミングにある」。ベーシックインカムに反対するもっとも一般的な議論は、どんなに有益であっても、それにはコストがかかりすぎるというものだろう。だが、このプログラムがより累進的な課税システムとリンクして進められれば、そうした支出の一部は課税を通じて政府に戻される。ベーシックインカムは人々が望む社会への投資であり、健康、教育、安全を重視する人がそれぞれ自分に投資する。その配当として、人々はより良い生活を手にし、一方で資金も節約され、社会も進化する。・・・。(フォーゲット)