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2020.9.30. Wed
迫りくる米中ハイテク冷戦
―― 北京による対抗戦略の全貌
「ハイテク冷戦」の輪郭はすでに明らかだが、この競争から誰が恩恵を受けるのかは、はっきりしない。ドイツ銀行の報告書は、米中ハイテク戦争のコストは今後5年間で3・5兆ドルを上回る規模に達すると試算している。それでも、両国の指導者は、ハイテクを国家安全保障問題とみなすことで、国内の技術開発を最速で進めたいと考えている。(シーガル)
パンデミックの残骸のなかから、パックス・シニカが生まれたり、パックス・アメリカーナが再出現したりすることはあり得ない。むしろ、米中のパワーは国内においても対外的にも衰退していく。その結果、国際的アナーキーに向けた着実な漂流が続くだろう。アメリカも中国もダメージを受け、しかもそこには、ジョセフ・ナイが言う、「国際システムを機能させるシステムマネージャー」はいない。間違った決断をし、配慮を怠れば、2020年代は1930年代へ回帰していく。(ラッド)
北京は事実上すべての外交領域で前例のない外交攻勢に出ている。そこに、かつてのような慎重さはない。もちろん、北京は「外交に熱心でない米政権が残したパワーの空白」を利用しているだけかもしれない。しかし、より永続的な外交政策上のシフトが進行中であると信じる理由がある。世界は、中国の自信に満ちた外交政策がどのようなものか、おそらく、その第1幕を目にしつつある。北京はいまや自国がどう受け止められるか、そのイメージのことをかつてのようには気にしていない。(キャンベル、フーパー)