abu adel - photo / Shutterstock.com
2020.6.22 Mon
経済再生への道は存在するのか
―― よりレジリエントな社会・経済へ
感染率の一貫した減少を待たずに経済活動を再開した国や州は、新たなアウトブレイク、死亡率の上昇だけでなく、長期的な経済的混乱というリスクを冒すことになる。経済活動の再開を焦るあまり、「経済活動を迅速に再開するためなら、救える命が少なくなっても仕方がない」という考えは間違っているし、脱パンデミックの経済学がそのように機能することはない。人々の健康を最優先に据えて重視する行動が経済再生への道を切り開くだろう。(チェルクパリ、フリーデン)
ビジネスマンは、今回の経験から(効率よりも)レジリエンス(柔軟性、ゆとり)を維持することの重要性を教訓として学んでいくだろう。(今回のように)この上なく最適化された(無駄のない)サプライチェーンが、ショックによって機能不全に陥るのを避けようとするはずだ。・・・結局、各国が新たに議論できる空間を提供する国際機関を立ち上げられるまでが、効率性や成長の重要性はこれまでよりも割り引いて捉えられるようになるかもしれない。(G・ハバード)
集会の制限から都市の閉鎖まで、公衆衛生上は不可欠な「ソーシャル・ディスタンシング」を実施する政府の社会介入によって、財やサービスを求めるいつもの流れは阻害され、消費者需要が激減して総需要が抑え込まれれば、経済はカオスへ向かいかねない。このショックに対処していくには(1)新型コロナウイルスの拡散阻止に投資し、(2)需要崩壊によってダメージを受けたビジネスや企業を支え、(3)金融危機を回避するために手を尽くさなければならない。周到な計画なしでは、コロナウイルス・リセッションは簡単に恐慌と化す。(スローター 、リース)
-
脱パンデミックの経済学
―― 命を救うことで、生活とビジネスを救え2020年6月号 ラジーブ・チェルクパリ ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院 エコノミスト トム・フリーデン 米外交問題評議会 シニアフェローグローバルヘルス担当) 前米疾病対策センター所長(2009―2017)
-
CFR Meeting
コロナウイルスが変える社会と経済
――経済効率を落としてもよりレジリエントな存在になる2020年6月号 エドマンド・S・フェルプス コロンビア大学資本主義・社会センター所長 セシリア・エレナ・ラウズ プリンストン大学ウッドロー・ウィルソン・スクール ディーン グレン・ハバード コロンビア大学ビジネススクール ディーン
-
コロナウイルス恐慌を回避せよ
―― 求められる戦時経済的精神2020年5月号 マシュー・スローター ダートマス大学 ビジネススクール学院長 マット・リース ダートマス大学 ビジネススクール シニアフェロー