Focal Points

Oliverouge 3 / Shutterstock.com

2020.6.15 Mon

朝鮮半島、香港、台湾
―― 流動化で問われる米中の思惑

肥満、ヘビースモーキング、飲酒、そして腎臓や心疾患などの家族歴を抱えていることからみても、金正恩が4月に一時的に姿を消したのは、重大な健康問題のせいだった可能性は十分にある。危険なのは、彼が後継者を指名せずに急死したり、支配権を確立できない後継者を指名したりすれば、半島情勢が大きく不安定化する恐れがあることだ。(カッツ、チャ)

北京が国家安全法を導入すれば、これまで香港に約束されてきた(一国二制度に基づく)自治体制は実質的に終わりを迎えることになる。全人代で同法の制定方針を取り付けた北京は、香港の民主化運動を鎮圧する動きをすでにみせている。国際社会での香港弾圧への懸念も高まっている。イギリス当局は、北京が今後も立場を変えなければ、英国海外市民(BNO)旅券保有者は英国に住んで働き、最終的には英国の市民権を得ることを許されるかもしれないと示唆している。・・・(コーエン)

中国で対台湾強硬論が高まっている。「アメリカは台湾を守る戦闘のために部隊を送り込むとは考えにくい」とメディアは指摘し、北京も「台湾を締め付けてもアメリカは静観する」と信じているようだ。一方、台湾人の多くは「中国に台湾を侵略するつもりはない」と確信している。かたや、トランプ米大統領は「(中国を刺激するような)波風をたててもたいしたことにはならない」と考えている。問題は、これらがすべて間違っており、こうした希望的観測が重なり合うことで紛争リスクが高まっていることだ。(グリース)

論文データベース

カスタマーサービス

平日10:00〜17:00

  • FAX03-5815-7153
  • general@foreignaffairsj.co.jp

Page Top