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2020.6.12 Fri

大国が歴史に向き合わぬ理由
―― ロシア、アメリカ、中国

最近のロシアでは、スターリン時代の怪物たちが歴史的復権を果たしつつあり、プーチン大統領はスターリン時代のイデオロギーを都合よく利用している。実際、ロシア政府にとって、歴史は客観的に扱われるべきものではなく、国家イデオロギーを推進するためのツールなのだ。現在のロシア政府は、強権政府のカルトを民衆の意識に植え付け、ロシア民衆と国の歴史的例外性、世界のロシア系住民を統合していくことの特別な価値を訴えるプロパガンダを唱えている。そうすることで、ロシアの対外的膨張主義と国内での抑圧を正当化しようとしている。(ペトロフ)

歴史的に、肌の白さは経済的・社会的地位に関係なく、価値あるものとされ、肌の黒さは価値が低いとみなされてきた。この環境のなかで白人至上主義が支えられてきた。黒人を社会のピラミッドの最底辺に位置づけることで、白人の階級間意識が抑制されたからだ。もっとも貧しく、もっとも社会に不満を抱く白人よりもさらに下に、常に大きな集団がいなければ、白人の結束は続かなかっただろう。奴隷制の遺産に向き合っていくには、白人至上主義にも対処していかなければならない。(リード)

毛沢東時代の中国共産党はさまざまな社会層を対立させただけでなく、残忍な大衆運動が作り出す波状的なうねりのなかで、考えられぬ規模の人々が殺されるか、破滅へと追い込まれた。民衆に想像を絶する苦しみと死をもたらしたにもかかわらず、党がその過ちを公的に認めたことはない。共産党は「過去をなかったことにしよう」と試みている。少しでも過去の不徳を認めるのは、党の正統性と一党独裁の権限を傷つける恐れがあるからだ。中国共産党が権力の座にあるかぎり、過去への反省が表明されることは決してないだろう。だが、その帰結を考える必要がある。(シェル)

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