Focal Points

2020.5.29 Fri

<6月号プレビュー>
コロナウイルスが変える社会と経済、脱パンデミックの経済学、集団免疫作戦しか道はない

「病気なのに、仕事に向かい、他の人に感染させるかもしれない」。有給の病欠が認められていれば、家で安静にしていても、給料を減らされることはない。実際、(医療保険)公衆衛生は、政府が役割を果たすのが適切で、これが非常に重要な公共財であることを理解すべきだろう。公衆衛生は、国防とともにきわめて重要だ。  (C・ラウズ)

感染率の一貫した減少を待たずに経済活動を再開した国や州は、新たなアウトブレイク、死亡率の上昇だけでなく、長期的な経済的混乱というリスクを冒すことになる。経済活動の再開を焦るあまり、「経済活動を迅速に再開するためなら、救える命が少なくなっても仕方がない」という考えは間違っているし、脱パンデミックの経済学がそのように機能することはない。人々の健康を最優先に据えて重視する行動が経済再生への道を切り開くだろう。(チェルクパリ、フリーデン)

いまや多くの諸国が、規制を最低限に抑えたスウェーデンアプローチの一部を取り入れつつある。デンマークとフィンランドは幼稚園と学校を再開し、ドイツは小さな店の再開を許可し始めた。犠牲者の絶対数がもっとも多いアメリカでも、すでに多くの州が規制を緩和している。健康弱者が十分に保護される限り、集団免疫作戦がコロナウイルスに対する唯一の実行可能な防御なのかもしれない。パンデミックを管理するためにスウェーデンがとってきた方法を、いまや各国は「時代を先取りしていた」とみなし始めている。(カールソン、スターン、クライン)

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