Focal Points

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2020.2.4 Tue

<2月号プレビュー>
資本主義を救う改革を
―― 株主資本主義からステイクホールダー資本主義へ

1980年代以降の40年で、あらゆるタイプの経済格差が拡大した。社会システムにも亀裂が生じ、社会を包み込むような経済成長を実現できなくなった。一方で、市場主義は深刻な環境問題も作り出した。利益の最大化を至上命題とする株主資本主義によって問題の多くが引き起こされている。企業は「ステイクホールダー(公益)資本主義」を受け入れ、社会・環境上の目的を実現するための措置を積極的に果たしていく必要がある。われわれは非常に大きな選択に直面している。(シュワブ)

グローバル経済の未来を左右するのは、資本主義と他の経済システムの競争ではなく、資本主義内の二つのモデル、つまり、「リベラルで能力主義的資本主義」と「政治的資本主義」間の競争だろう。格差を是正し、民衆の資本主義への進化を実現するには、中間層により大きな金融資産の保有を促す税インセンティブを与え、超富裕層の相続税を引き上げ、公教育の質を改善し、選挙キャンペーンを公的資金でカバーできるようにしなければならない。(ミラノヴィッチ)

人口の成長がゼロかマイナスの世界では、おそらく経済成長もゼロかマイナスになる。人口規模の小さな高齢社会では消費レベルも低下するからだ。既存の金融・経済システムが覆されることを別にすれば、これに関して、本質的な問題はない。今後、人口比でみれば、十分な食糧が供給され、潤沢に商品が出回るようになるかもしれない。気候変動への余波も緩和されるだろう。だが、資本主義はうまくいってもぼろぼろになり、悪くすると、完全に破綻するかもしれない。(カラベル)

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