2020.2.27 Thu
<3月号プレビュー>
デジタル独裁国家の夜明け、 新型ウイルスの脅威、
絶望死という疫病?
AIをはじめとする技術革新は日常生活を改善する素晴らしい未来を約束する一方で、権威主義体制の締め付け強化に利用されてきた。権威主義国はインターネットをはじめとする新テクノロジーの犠牲にされるどころか、それから恩恵を引き出している。事実、巨大な治安組織を必要とする警察国家を築かなくても、新テクノロジーを購入して、その使い方を、(輸入元である)中国のような外国の力を借りて一握りの役人に教えれば、それだけでデジタル権威主義国家の準備は整う。(テイラー他)
考えるべきは、コロナウイルスがSARSのように管理できるようになるか、それとも、インフルエンザや通常の風邪のようになるかだ。われわれが試みるべきは、コロナウイルスの感染拡大を阻止できると想定し、そのために必要なあらゆることを試みる一方で、完全にストップできない場合に備えて、このウイルスをより適切に管理する、あるいはその衝撃を緩和するにはどのような計画が必要かを考えていくことだ。(T・フリーデン)
アメリカの平均寿命が低下し始めた大きな理由は、25歳から64歳の中年の死亡率が上昇しているからだ。ドラッグのオーバードーズ(過剰摂取)やアルコール性の肝臓疾患による死亡、そして自殺が増えている。これらの3タイプの絶望死のなかでオーバードーズがもっとも多く、2017年に7万人が犠牲になり、2000年以降の累計では犠牲者数は70万を超えている。エリートが繁栄を手にし、教育レベルの低い人々が取り残されるという、アメリカの絶望死危機を深刻にしているダイナミクスが、他の富裕国でも壊滅的な結果をもたらす恐れがある。(ケース、ディートン)
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デジタル独裁国家の夜明け
―― 民主化ではなく、独裁制を支えるテクノロジー2020年3月号 アンドレア・ケンドル=テイラー 新アメリカ安全保障センター シニアフェロー エリカ・フランツ ミシガン州立大学助教(政治学) ジョセフ・ライト ペンシルベニア州立大学教授(政治学)
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CFR Meeting
新型ウイルスの脅威
―― 封じ込めはできるのか、政府の対応は適切か、経済はどうなるか2020年3月号 トーマス・R・フリーデン 米疾病対策センター(CDC)前所長 ヤンゾン・ファン 米外交問題評議会シニアフェロー(グローバルヘルス担当) ジェニファー・ナッゾ ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院 シニアスカラー ブラッド・セッツァー 米外交問題評議会シニアフェロー(国際経済担当)
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絶望死という疫病?
―― アメリカ特有の現象か、グローバル化するか2020年3月号 アン・ケース プリンストン大学名誉教授(経済学) アンガス・ディートン プリンストン大学名誉教授(経済学)