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2020.10.8.Thu
次期米大統領の本当の課題
―― 絡み合う格差と人種問題
アメリカの警察による最悪の権力乱用が変わらないのは、銃の蔓延や地方分権型の警察活動、あるいは連邦政府による監督の欠如だけが理由ではない。いまやブラック・ライブズ・マター(BLM)運動の要求は、警察の改革から予算削減、あるいは警察の廃止へとエスカレートしている。実際、現在警察に費やされている何十億ドルもの資金を、医療、住宅、教育、雇用の提供に向けるべきだと主張する活動家もいる。・・・(ラルフ)
アメリカにおける階級闘争と人種的分断がいかに相互作用をしているかを把握しない限り、パンデミックのアメリカにおける影響、それを取り巻く政治環境、破壊的な政治ダイナミクスを完全に理解することはできない。新型コロナウイルス感染症による死亡率が、白人よりも、マイノリティの間で際だって高いという事実から考えても、アメリカがシステミックな限界に達しつつあることは明らかだろう。カオスのなかで、アメリカは「暴力的な政治的報い」に遭遇する道のりにあるのかもしれない。(チュア)
先住民族を東部から締め出すための19世紀の強制移住プログラムに連邦政府は7500万ドルを費やしたが、その経済的見返りは大きかった。彼らの土地を民間に売却することで、買収費用を約500万ドル上回る約8000万ドルの収入を得た。北部の資本家は、インディアンがいなくなった土地への投資、つまり、奴隷が綿花の苗を植え、収穫し、加工するビジネスへの投資から莫大な利益を上げた。先住民を締め出した政策の真の勝者は、奴隷を所有する南部の農園主と、彼らに投資したニューヨークの資本家だったのかもしれない。(トルーア―)