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2020.1.22 Wed
公衆衛生と人類社会
―― 感染症をいかに封じ込めるか
人類が初めてエボラ出血熱に遭遇したのは1976年。ザイール(現コンゴ)のヤンブク村とその周辺地域においてだった。未知の忌まわしい疾患に感染した人は内出血を起こし、高熱を出して幻覚に襲われ、なかには気が触れたような行動をとる人もいた。そして、2014年に再びアウトブレイクが起きた。3月半ばにエボラウイルスの感染が急拡大した後、4月上旬までに感染は下火になっていた。この段階で、世界保健機構(WHO)も米疾病管理センター(CDC)もアウトブレイクは収束しつつあると状況を誤認してしまった。だがそれは、小康状態に過ぎなかった。・・・(ギャレット)
多額の資金を投じたプロジェクトによって、感染症から途上国の子どもたちを救うことに世界は成功した。しかし、青年期から中年期に、治療可能な生活習慣病のために命を落とす人が増えている。それだけではない。感染症を封じ込めても、若者の失業増、密集し整備が十分ではないインフラなどの問題が逆に社会の不安定化を引き起こしつつある。世界の人々は以前よりも健康になったが、(それが別の問題を作り出し)、われわれの不安を高めている。(ボリキー)
気候変動が引き起こす環境面での広範な悪影響については長く議論されてきた。しかし、温暖化の人体への悪影響が予想以上に深刻で、すでに問題として具体化していることをもっと強く認識すべきだ。気候変動は慢性疾患や感染症を悪化させるだけでなく、食料と飲料水資源の不足をさらに深刻にし、パンデミックのリスクも高めてしまう。(アドノム)