DisobeyArt / Shutterstock.com
2020.1.20 Mon
温暖化への適応か国の消滅か
―― 気候変動が引き起こす大災害の衝撃に備えよ
アメリカの場合、社会・経済インフラは歴史的水準の異常気象に耐えられるように設計されているが、いかに手を尽くしても、今後の気候変動と災害の衝撃が過去のそれを上回るようになるのは避けられない。災害後の復興策もこれまでのやり方では財政がもたない。生き残るには、これまでのインフラ、データシステム、そして災害予算政策を抜本的に刷新する必要がある。災害に対するレジリエンス強化に向けた投資が必要だし、気候変動リスクをわれわれはもっと正面から捉えなければならない。(ヒル、ディアス)
異常気象は1度きりの出来事ではなく、いまや慢性化しており、これを管理していくには、現在の政策決定者の気候変動に対する捉え方とはまったく異なるアプローチが必要になる。すでに気候変動のインパクトを前に、企業は工場を移動させ、ビジネスモデルを見直し、国防総省は、海面水位の上昇が慢性化していることのリスクを認め、今後10年間で海軍基地に対するリスク管理と適応のための計画をまとめている。(ゴードン、フリードマン )
気候変動とは、地球温暖化だけではない。世界は、気候科学者のキャサリン・ヘイホーが、「グローバル・ウィアーディング(地球環境の異様な変化)」と呼ぶ時代に突入しつつある。考えられない気象パターンがあらゆる場所で起きている。気温が上昇すると、気候変動が引き起こす現象が変化する。かつて100年に1度だった大洪水が、50年あるいは20年おきに起きるようになる。想定外のテールリスクもますます極端になる。(バズビー)
-
温暖化への適応か国の消滅か
―― 気候変動が引き起こす大災害の衝撃に備えよ2020年1月号 アリス・ヒル 米外交問題評議会 シニアフェロー(気候変動政策担当) レオナルド・マルティネス=ディアス 世界資源研究所持続可能な金融センターの グローバルディレクター
-
気候変動で慢性化した異常気象
―― そのダメージとコストに対処するには2018年11月号 ケイト・ゴードン リッジ・レーン パートナー <br>ジュリオ・フリードマン コロンビア大学グローバルエネルギー政策センター シニアリサーチフェロー
-
ワーミング・ワールド
―― 気候変動というシステミック・リスク2018年8月号 ジョシュア・バズビー テキサス大学オースティン校 准教授(公共政策)