2019.9.27 Fri
<10月号プレビュー>
人口減少と資本主義の終焉、変貌したメディアと民主主義、ほか
ゼロ成長やマイナス成長の社会ではいかなる資本主義システムも機能しない。その具体例が、高齢化し、人口が減少している日本だ。人口の成長がゼロかマイナスの世界では、おそらく経済成長もゼロかマイナスになる。人口規模の小さな高齢社会では消費レベルも低下するからだ。資本主義はうまくいってもぼろぼろになり、悪くすると、完全に破綻するかもしれない。今後、世界の人口が減少してゆけば、経済成長は起きるだろうか。この設問にどう応えるかの準備ができていないだけでなく、どう答えるかさえ考え始めていない。これが世界の現実だ。(カラベル)
2008年から2017年までに、新聞ジャーナリストの数はほぼ半分に落ち込んだ。報道機関に残れた者も、「社会的地位と信頼性が失われた」と感じている。2018年の調査によれば、アメリカ人の69%が、2008年以降の10年間でニュースメディアへの信頼を失っている。世界的にみても前向きなトレンドはほとんど見当たらない。それが何処であれ、未来の報道については同じ疑問がもたれている。それは、「民主社会を機能させるために必要なジャーナリズムをどうすれば再建できるか」という問いに他ならない。(ワイズバーグ )
香港での抗議行動が続き、住民の行動がさらに怒りに満ちたものへ変化していけば、介入の前提とされる大義と正当化の理屈を北京に与えることになる。1989年の天安門でのデモ活動は、中国共産党に対抗する力強い運動はつねに抜き差しならぬ対立に終わることを教えている。実際、民主的理想主義に突き動かされた抗議行動への対処策については、北京は抑圧以外に頼るべきツールをもっていない。中国という祖国が拒絶され、批判され、その名誉が傷つけられていると感じれば、習近平が介入を躊躇うことはない。(シェル )